2024/08/09 ギグワークス株式会社
昨今、企業と求職者のニーズのギャップが広がっているのではないでしょうか。
今回は、株式会社マイナビが全国の企業、個人それぞれを対象に行った、「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2024年5-6月)」の結果を紹介します。
今回の調査によると、非正規雇用における求人ニーズは、求職ニーズを8.2ポイント上回り、売り手市場が続いています。2024年5月から6月にかけての調査によると、非正規雇用の求人活動を行った企業は25.4%で、求職活動を行った個人は17.2%に留まりました。この結果は、企業が人手不足に悩まされている現状を反映しており、今後も求人ニーズが高まることが予想されます。
2024年度の最低賃金改定に対し、企業の約4分の1が「引き上げるべきではない」と回答しています。特にサービス業や小売業、飲食・宿泊業では非正規雇用者の割合が高く、人件費の増加を懸念する声が強まっています。また、最低賃金引き上げが実施された場合、企業の対応策として「労働時間の短縮」が上位に挙げられています。このような企業の姿勢は、賃金引き上げの難しさを物語っています。
非正規雇用の求職者の中で、約3人に1人がスポットワークを探しているという結果が出ています。さらに、今後スポットワークを探したいと答えた人は51.8%に上りました。求職者にとってスポットワークのメリットは「単発性」や「時間の有効活用性」であり、企業にとっても「時間の融通性」や「単発性」が魅力とされています。このように、スポットワークは求職者と企業の双方にとってメリットが大きいことが分かります。
調査によると、非正規雇用者の73.2%が入社後研修を「丁寧にしてほしい」と回答しています。しかし、現実には企業の研修スタイルと求職者の期待にはギャップがあります。企業は「口答指導」を重視する一方で、求職者は「マニュアル指導」を望む傾向にあるようです。また、研修の内容に関しても、企業は「実践スキル」を重視するのに対し、求職者は「基礎スキル」を重視しています。このギャップを埋めることが、今後の課題となるでしょう。
今回の調査から、非正規雇用市場における企業と求職者のニーズの違いが浮き彫りになりました。求人ニーズが高まる一方で、最低賃金引き上げへの懸念や、スポットワークの需要増加、入社後研修の期待と現実のギャップなど、多くの課題が見えてきました。今後もこれらの動向に注目し、適切な対策を講じることが求められるでしょう。