2025/04/16 ギグワークス株式会社
あなたは今の就職・転職市場の変化を実感していますか?
今回は、ツナグ働き方研究所が毎月発表している「労働市場データレポート」の2025年2月度レポートを紹介します。
今回の調査によると、2025年2月の有効求人倍率は1.24倍と、前月から0.02ポイント減少しました。これは半年ぶりの低下であり、求人の数に対して求職者が増えている可能性を示しています。特にパート求人倍率が1.16倍とやや低下傾向にあり、正社員求人倍率は1.03倍と前年より微増しています。働き方のニーズが分かれる中、雇用の質や条件に対する求職者の目がより厳しくなっているのかもしれません。
完全失業率は2.4%と前月から0.1ポイント改善し、前年同月比では0.2ポイントの改善となりました。ただし15~24歳の若年層ではわずかに上昇しており、世代によって雇用環境に格差があることが見て取れます。完全失業者数は165万人で、1年前より12万人減少しています。数字だけ見ると景気回復の兆しとも取れますが、若年層の雇用が伸びていない点には注目すべきです。
新規求人数の伸び率は前年同月比で-5.9%。これは4か月連続のマイナスで、特に宿泊業・飲食サービス業や娯楽業、建設業、製造業といった労働集約型産業での減少が目立ちます。唯一、卸売業・小売業のみが前年より微増となりました。これは、消費マインドや景気の先行き不安が企業の採用意欲に影響を与えていることを意味しているのかもしれません。
2月の労働市場データは、求人の減少と失業率の微改善という、一見矛盾する動きを見せています。求人数が減る中でも就業者数は増えており、求職者と企業の間にある“働き方のミスマッチ”が一層顕在化しているように感じられます。今後の雇用動向を読む上で、業種ごとの動きや世代別の雇用傾向にも注目する必要がありそうです。