2024/06/14 ギグワークス株式会社
昨今の賃上げの動向について、あなたはどのように感じていますか?
今回は、エン・ジャパン株式会社が運営する『engage』上で、従業員数299名以下の企業を対象に行った、「賃上げ」についてアンケートを紹介します。
2023年4月以降、中小企業では賃上げがどの程度行われたのでしょうか?
今回のアンケート調査によれば、正社員の賃上げを行った企業は66%、アルバイト・パートの賃上げを行った企業は51%でした。この結果から、多くの中小企業が賃上げに取り組んでいることがわかりますが、依然として半数近くの企業ではアルバイト・パートの賃上げが行われていないという現実も浮き彫りになりました。
では、賃上げ額はどの程度だったのでしょうか?
正社員の賃上げを行った企業の多くは「5,000円~9,999円」の範囲で賃上げを行いました。一方、アルバイト・パートについては「70円以上」の時給アップが最も多く見られました。この賃上げ額は、企業が限られた予算の中で従業員のモチベーションを向上させるためにどれだけ努力しているかを示しているとも言えるでしょう。
賃上げの理由についても調査が行われました。最も多かった理由は「社員のモチベーション向上」で、正社員では75%、アルバイト・パートでは56%の企業がこれを挙げています。また、「人材の確保・採用」や「物価上昇への対応」も賃上げの主要な理由として挙げられていました。これらの理由は、企業が労働市場の競争力を維持するために賃上げを行う必要性を反映しています。
しかし、賃上げには悩みや課題も伴います。最も多かったのは「同業他社の賃上げにより、採用難度が上昇」と「賃上げ対象外の社員のモチベーション低下」でした。これらの課題は、企業が全従業員の満足度を保ちながら、競争力を維持するためにどれだけの困難に直面しているかを示しています。
今回の調査から、中小企業における賃上げの実態とその背景にある理由、さらに賃上げに伴う課題が明らかになりました。多くの企業が賃上げを通じて社員のモチベーション向上や人材確保に努めている一方で、同業他社との競争や全社員の満足度を維持する難しさも見えてきました。これからの中小企業の発展には、バランスの取れた賃上げ戦略が求められることでしょう。