2024/06/17   ギグワークス株式会社

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5月の国内景気動向:低迷続く理由とは?


個人消費の低迷や原材料価格の高止まりなどが原因で、5月の国内景気は2カ月連続で悪化しているようです。
今後も横ばい傾向が続くと見られる中で、景気回復のカギはどこにあるのでしょうか?
今回は、株式会社帝国データバンクが全国2万7,104社を対象に行った、2024年5月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表したレポートを紹介します。
 

■国内景気はなぜ悪化したのか?

今回の調査によると、5月の景気DIは前月比0.6ポイント減の43.5となり、2カ月連続で悪化しました。個人消費の低迷や原材料価格の高止まり、さらにコスト負担の増加が主な要因です。特に、『農・林・水産』と『運輸・倉庫』を除く8業界で景況感が悪化しました。加えて、観光産業も不調で、主要観光地を抱える地域の経済が大きく落ち込む結果となりました。
 


■業界別に見る景況感の変動

業界別に見ると、10業界中8業界で景況感が悪化しました。例えば、『サービス』業界では飲食店や娯楽サービスが大幅に悪化し、個人消費の低迷が響いています。一方で、『運輸・倉庫』業界は改善傾向を見せましたが、企業規模によってその影響は異なります。特に中小企業や小規模企業は2カ月連続で悪化しており、特に2024年問題の影響が顕著です。
 

■今後の景気はどうなるのか?

今後の景気は横ばい傾向で推移すると見られますが、いくつかの要因が鍵となります。賃上げや定額減税などで家計の所得環境が改善されれば、個人消費が回復する可能性があります。また、自動車の生産再開やインバウンド需要の増加、シリコンサイクルの回復も好材料です。しかし、海外経済の下振れリスクや日本銀行の追加利上げ、人手不足などのマイナス要因も存在します。これらがどのように影響するかが注目されます。
 

■まとめ

5月の国内景気は、個人消費の低迷や原材料価格の高止まりなどが原因で、2カ月連続で悪化しました。今後も景気は横ばい傾向が続くと見られますが、賃上げや定額減税による個人消費の回復、自動車生産の再開、インバウンド需要の増加などが景気を押し上げる可能性があります。しかし、海外経済の不振や日本銀行の追加利上げなどのリスクも無視できません。今後の動向を注視しながら、各業界の動向に注目していきたいと思います。