2024/07/31 ギグワークス株式会社
昨今の日本のサービス業界は深刻な人手不足に直面していると言えるでしょう。
今回は、ClipLine 株式会社が行った、「非正規社員のキャリアアップと昇給に関する調査」を紹介します。
多くの非正規社員は正社員と同じ責任を負いながらも、キャリアアップや昇給の機会が限られています。総務省の調査によると、宿泊・飲食業界の平均給与は全体の平均を大きく下回る268万円であり、昇給の機会も企業規模によって大きく異なります。100拠点以上の企業では昇給の機会が多い一方、個人経営の企業ではその機会は非常に限られています。このような状況は、労働者のモチベーションや将来のキャリア形成に大きな影響を与えていると言えるでしょう。
調査結果からは、昇給条件が明確でない企業が多く、約5割の回答者が「店長や上司の判断による」と答えています。このため、非正規社員は自分がどのように評価されているかが分からないまま働き続けることが多いのです。また、昇給額も大半が99円までに留まっており、300円以上の昇給を経験した人はわずか5%でした。
非正規社員の中にはスキルアップに興味を持つ人も多いですが、それを昇給に結びつけたいと考える人は25%という結果になりました。特に学生やフリーターはスキルアップよりも現状の維持を望む傾向があります。シニア層でも現状維持を希望する人が多く、スキルアップや昇給に対する関心は低いことが分かりました。
今回の調査から、非正規社員のキャリアアップや昇給には多くの課題があることが明らかになりました。企業は、評価基準の明確化やスキルアップ評価制度の導入など、労働者のモチベーションを高めるための施策を強化する必要があります。これにより、非正規社員の定着率や満足度が向上し、結果としてサービス業界全体の労働力不足の解消につながることが期待されます。
※出典元
ClipLine株式会社