2024/05/31   ギグワークス株式会社

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副業・兼業の実態調査:企業の取り組みとその影響


あなたは社員の副業・兼業にどのような意見を持っていますか?
今回は、エン・ジャパン株式会社が運営する『人事のミカタ』上で、企業の人事担当者を対象に行った「副業・兼業」についてアンケート調査を紹介します。
 

■副業・兼業を認める企業の割合とその理由とは?

今回の調査によると、46%の企業が社員の副業・兼業を認めていることが分かりました。特にIT・情報処理・インターネット関連の業種ではその割合が60%と高く、主な理由として「社員の収入増」が58%で最も多く挙げられました。次いで「社員のモチベーション向上」(37%)や「働き方改革の推進」(36%)が続いています。社員の副業・兼業を認めることによって、収入が増えれば生活の安定につながり、それが仕事のモチベーション向上にも寄与するという企業の考えが背景にあるようです。社員の多様な経験が本業にも良い影響を与えることを期待する声も多く聞かれます。
 


■副業・兼業のメリットとデメリット

調査結果によると、副業・兼業を認めた企業の43%が「特に良かったことはない」と答えていますが、23%は「社員のモチベーションが向上した」と感じています。また、困ったことしては66%が「特に困ったことはない」と回答していますが、「労務管理が煩雑になった」(14%)や「本業がおろそかになった」(11%)といった意見も見受けられます。具体的なエピソードとして、例えば、IT関連企業では副業により顧客サイドの状況把握が向上したり、サービス業では他社を見ることで自社の良さを再認識する効果があったという声もあります。一方、掛け持ちのシフト調整が難しくなるといったデメリットも存在しているようです。
 

■副業・兼業を禁止する理由とその背景

一方で、副業・兼業を禁止している企業の多くは「本業に専念してもらいたいから」(78%)や「社員の過重労働に繋がるから」(62%)という理由を挙げています。社員が本業に集中し、過労を避けることが企業にとって重要だと考えられています。また、18%の企業が社外からの副業・兼業で働く人を受け入れており、その理由のトップは「慢性的な人手不足の解消」(63%)です。特定の部分で働いてもらうことで人件費の無駄がなくなるなどの具体的なメリットも報告されています。
 

■まとめ

今回の調査から、社員の副業・兼業を認める企業が増えている一方で、その実施にはメリットとデメリットが存在することがわかりました。企業は社員のモチベーションや収入増を重視する一方で、労務管理の煩雑さや本業への影響を懸念しています。副業・兼業の制度を取り入れる際には、これらのバランスを考慮することが重要となるでしょう。