2024/06/26 ギグワークス株式会社
あなたの会社では賞与が支給されましたか?
今回は、エン・ジャパン株式会社が運営する人事向け情報サイト『人事のミカタ』上で、サイトを利用している従業員数300名以下の企業の人事担当者を対象に行い、210社から回答を得た「夏季賞与」についてのアンケート調査を紹介します。
今回の調査によると、87%の中小企業が今年の夏季賞与を支給予定と回答しました。これは前年から4ポイント、2022年からは10ポイントの増加を示しています。業種別では、商社や金融・コンサル関連業界が100%と最も高い割合を示しており、他にもメーカー(95%)、サービス関連(92%)が続いています。この増加傾向は、企業が従業員のモチベーションを高めるための努力の一環として賞与支給を重視していることを示唆していると言えるでしょう。
今年の夏季賞与の支給額については、43%の企業が増額を予定していると回答しました。その主な理由は「ベースアップの影響」であり、基本給の増加が賞与にも反映される形となっています。一方、支給額が変わらないとした企業は48%、減額予定と答えた企業は7%でした。減額の理由としては「業績不振」が最も多く挙げられています。これにより、経済環境や業績に応じて企業ごとに支給額の動向が異なることがわかります。
企業が直面している賞与支給に関する最大の悩みは「賞与の支給額による社員モチベーションへの影響」でした。賞与の支給額が社員のモチベーションにどのように影響するのか、企業は慎重に見極める必要があります。具体的には、賞与を増額することで社員のモチベーションが向上し、それが業績にどう反映されるかが不安材料として挙げられています。また、社員への評価や査定基準の見直しも課題となっており、公平な基準設定と一貫したフィードバックの重要性が浮き彫りになりました。
今回の調査では、29%の企業が「景気の回復を感じる」と回答しましたが、依然として44%の企業は景気回復を実感していないとしています。物価の上昇や給与の横ばいが続く中で、企業や個人が実際に景気の回復を感じるには時間がかかるという現実が見えてきました。経済状況の不透明さが賞与支給や社員の士気にどう影響するか、今後も注視していく必要がありそうです。
今回の調査結果から、中小企業における夏季賞与支給の現状と課題が明らかになりました。多くの企業が賞与支給を予定している一方で、その支給額や社員のモチベーションに対する影響、さらには景気回復の実感に関する課題も浮き彫りになりました。今後も企業は社員のモチベーションを維持しつつ、業績向上を目指していくための工夫が求められます。これらの課題に対する対応が企業の未来を左右する重要な要素となるでしょう。