2024/10/28 ギグワークス株式会社
フリーランスとして働く人々の多くが、新たに施行された「フリーランス新法」に期待を寄せているでしょう。この法律は契約トラブル防止に大きく貢献すると見られており、特に企業との取引における不平等を緩和する効果が期待されているようです。
今回は、株式会社マイナビが全国のフリーランスとして働く個人(1,000名)を対象に行った、「フリーランスの意識・就業実態調査2024年版」を紹介します。
フリーランスとして独立した人の多くは、会社員時代と比べて収入に大きな差があることを感じています。今回の調査によると、約半数の人が「収入が減った」と回答し、職種によっては大幅に収入が減少することもあります。特に編集やライターといった職種では、年間で数十万円の収入減少が見られる一方で、ITエンジニアや開発系の職種では逆に収入が増加する傾向もあります。
それでも、62.1%のフリーランスが現在の働き方に満足していることから、自由度やプライベートの充実が収入以上に魅力と感じられていることがうかがえます。このように、収入面だけではなく、フリーランスとしての生活全体におけるバランスが重要視されているのかもしれません。
フリーランスとして働く上で、最も不安視されるのが「収入の不安定さ」です。実際、月々の収入に大きな差があることも珍しくなく、今回の調査では最高月収が53.5万円、最低月収は11.3万円と報告されています。また、職種によっても交渉できる範囲が異なり、IT系やコンサルタント系は交渉の余地がある一方で、通訳・翻訳系では交渉が難しいという結果も出ています。
2024年に施行された「フリーランス新法」について、フリーランスの35%が「契約トラブル防止に期待できる」と回答しました。具体的には、契約条件が明文化されたことによって、取引先との交渉が容易になり、権利を主張しやすくなると感じている人が多いです。特に、これまで曖昧だった契約内容に法的根拠が与えられることで、フリーランスとしての立場が強化される期待が高まっています。
一方で、一部のフリーランスは「発注先が有利な立場に変わりはない」と慎重な見方を示しています。法律が施行されても、実際の交渉力が変わらない限り、企業に対する弱い立場が続くのではないかという懸念も見られました。期待と不安が交錯する中で、フリーランスの働きやすさが今後どのように変わるのか、さらなる注視が必要です。
フリーランス新法の施行に伴い、多くのフリーランスが契約トラブルの防止に期待を寄せていますが、収入の不安定さや交渉の難しさといった課題も依然として残っています。それでも、働き方の自由度やプライベートの充実感から、フリーランスという働き方に満足している人が多いのは事実です。今後、フリーランス新法がどれだけの効果をもたらすのか、期待と不安が入り混じる中での動向に注目です。