2023/01/06 ギグワークス株式会社
ギグワーカーのほとんどが免税事業者に該当するでしょう。インボイス制度が導入されると、免税事業者は適格請求書を発行できず、取引先が仕入額控除を受けられないため、取引先が企業の場合は案件が終了してしまう恐れがあります。今回は、帝国データバンクの調査を参考に、企業が個人事業主を含む免税事業者との取引をどのように考えているか、解説します。
まず、企業が取引先のインボイス制度の登録状況を把握しているかどうかについてご紹介します。
帝国データバンクによると、取引先が免税事業者であるかどうかにかかわらず、75.0%の企業が「確認意向がある」と回答しました。しかし、取引先に個人事業主がいる企業は、「インボイス制度の登録確認は必須」「対応を決めかねている」と、確認意向があってもさまざまな意見が挙がっていたようです。
個人事業主との取引が多い企業は少なくありません。インボイス制度への対応について、自社と取引先ともに理解を深めようとしている企業があれば、困惑しており対応を検討中という企業もあり、確認意向はあるものの対応は企業ごとに大きく違うようです。
同調査内では、インボイス制度導入後の免税事業者との仕入れ取引についても質問しています。最も多かった回答は「分からない」の41.5%、次いで「経過措置期間にかかわらず取引する」が26.2%、「経過措置期間は取引する」が24.9%、「取引しない」が7.5%という結果でした。経過措置とは、適格請求書発行事業者以外から仕入れる場合、2023年10月から2029年9月の間は、一定の条件下で仕入税額相当額のうち一定割合を控除できるというものです。
この結果から、取引先が適格請求書発行事業者であれば安心して取引できるが、そうでない場合は取引継続を決めかねるという企業の戸惑いが見えます。
個人事業主が適格請求書発行事業者になれば、インボイス制度導入後もある程度安定した取引ができそうです。しかし、売上1,000万円以下の免税事業者は適格請求書発行事業者になることができないため、インボイス制度の登録は簡単ではありません。この点で、企業側の戸惑いが見られるため、ギグワーカーは動向をおって自身の対応を検討するとよいでしょう。