2024/08/28 ギグワークス株式会社
最近の日本の労働市場はどのような動きを見せているのでしょうか?
今回は、ツナグ働き方研究所が毎月発表している「労働市場データレポート」の2024年6月度レポートを紹介します。
今回の調査によると、2024年6月の有効求人倍率は1.23倍となり、前月よりわずか0.01ポイント低下しました。これは3か月連続の低下を示しており、求人市場の縮小を反映しています。特にパートタイムの求人倍率は1.19倍と2022年以来の低水準となり、正社員求人も1.00倍でやや低下傾向にあります。企業が採用に慎重になっている様子がうかがえます。
一方、完全失業率は2.5%と、前月より0.1ポイント改善しましたが、前年同月と比較すると大きな変化はありません。若年層(15-24歳、25-34歳)の失業率は改善傾向にあるものの、全体としては安定しているといえます。また、完全失業者数は181万人で前年同月比2万人増加しており、経済全体の回復がまだ途上であることを示しています。このようなデータは、雇用の安定が依然として課題であることを物語っていると言えるでしょう。
新規求人数は前年同月比で9.4%減少し、10か月連続で減少しています。特に、製造業や建設業、生活関連サービス業といった主要産業での求人の減少が目立ちます。これらの産業では、アルバイトやパートタイムの雇用が多くを占めており、求人の減少が雇用市場全体に与える影響は少なくありません。企業がコストを抑えるために採用を控える傾向が見られ、このような状況が続くと、求職者の選択肢がさらに限られてしまう可能性があります。
2024年6月の労働市場データから見えるのは、求人倍率の低下と新規求人数の減少が続いているという現状です。一方で、失業率は若干の改善を見せているものの、依然として多くの人々が仕事を探している状態です。これらのデータは、日本の経済が安定成長に向けてまだ課題を抱えていることを示しており、今後の動向に注目が必要です。労働市場の変化を注視しながら、どのように対応していくかが求められています。