2024/01/23   ギグワークス株式会社

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2023年の職種別平均残業時間の変化とその背景とは?


あなたの職種の平均残業時間はどのくらいですか?
2023年の日本における職種別平均残業時間の動向はどうなっているのでしょうか。
今回は、パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」が行った職種別の残業時間の調査について紹介します。
 

■残業時間は減少傾向にあるのか?

今回の調査によると、2023年の日本における職種別平均残業時間は、前回調査よりわずかに減少し、21.9時間/月となりました。この数値は、働き方改革やコロナ禍の影響を受けて、過去数年間で見られた大幅な減少傾向の一部を示しています。2019年の24.9時間から比較すると、明らかな改善が見られますが、2022年と比較するとほぼ同じ水準を維持していることから、一定の安定期に入っているとも解釈できます。
 


■職種別で見る残業時間の違い

職種別に見ると、残業時間が最も少なかったのは「一般事務」で、10.6時間という結果でした。これは前回から2.7時間の減少であり、7ランクアップしています。一方で、残業時間が最も多かったのは「プロデューサー/ディレクター/プランナー」で、42.2時間となり、前回から5.1時間増加しています。この結果は、リアルイベントの需要回復や各種コンテンツ制作の増加が影響していると考えられます。
 

■残業時間の背後にある社会的要因と今後の展望

残業時間の増減には、コロナ禍の影響や働き方改革の進展が大きく関わっています。特に、コロナ禍の経済活動への影響が弱まりつつある中で、オフライン需要の回復や人材不足が新たな課題として浮上しています。また、営業職ではオンライン化の進展により残業時間が減少する傾向にあったものの、経済活動の正常化に伴い、再び対面での商談が増え、移動時間の増加が残業時間に影響していると考えられます。今後は、業務効率化や就業環境の改善を目指す企業の動きが活発化し、はたらく個人のキャリア選択肢が広がることが期待されます。
 

■まとめ

2023年の職種別平均残業時間の調査結果は、働き方改革やコロナ禍の影響を受けた労働環境の変化を反映しています。特に残業時間の最も少ない職種と最も多い職種の間には大きな差があり、これは各職種の業務内容や市場環境の変化によるものです。一方で、全体的な残業時間の減少は、労働者の健康とワークライフバランスに対する意識の高まりを示しています。今後、企業は効率的な業務運営と従業員の満足度向上のために、さらなる働き方改革を推進することが期待されます。また、個々の労働者にとっては、自身のキャリアパスを考える上で、職種ごとの労働環境を理解することが重要です。この調査結果は、今後のキャリア選択において参考になるでしょう。