2024/10/18   ギグワークス株式会社

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転職者の行動傾向が示す新しいキャリア観


あなたは転職を考えたことがありますか?
近年、転職者の行動には大きな変化が見られています。
今回は、株式会社マイナビが正社員の20代~50代男女のうち、直近1年間(2023年6月以降)に転職活動をした1,600名を対象に行った、「転職活動における行動特性調査2024年版」を紹介します。
 

■なぜ短期間で転職する人が増えているのか?

今回の調査によると、2023年以降に転職した人の5人に1人が、前職を「勤続1年未満」で辞めているようです。この割合は2021年の調査開始以来、初めて2割を超えました。特に20代では26.8%が1年未満で転職しており、若年層における転職の短期化が進んでいることが分かります。従来、「3年未満での転職は早期離職」とされてきましたが、今ではこの概念が変わりつつあるようです。
多くの転職者は、自分に合った仕事や職場を見つけるために早期離職を選んでいます。特に若者にとって、キャリアの柔軟性や自己成長を求めることが、長期的な安定よりも重要視されているのかもしれません。このような変化は、現代の労働市場の柔軟化を象徴していると言えるでしょう。
 


■早期離職は本当にキャリアにプラスなのか?

調査では、早期離職を「キャリアにプラス」と感じる人が4割以上に達しています。多くの人が「自分に合った職場や仕事を見つけることができる」として早期離職を前向きに捉えています。この結果からも、転職活動はもはやネガティブな選択肢ではなく、自分のキャリアを築くための戦略的な手段として認識されていることが分かります。
それでも、早期離職がすべての人にとってプラスになるとは限りません。自分に合った環境を見つけることができるかどうかは、個々の状況によるため、転職を考える際には慎重な判断が必要です。
 

■伝統的な日本型企業はまだ魅力的?

年功序列や終身雇用など、伝統的な日本型企業の働き方を好む転職者が6割を超えました。特に、終身雇用や退職金制度といった安定を提供する制度に対しては依然として高い魅力が感じられています。20代でも半数以上が日本型企業を選びたいと考えており、安定性を求める志向は広い世代に共通しています。
しかし、一方で「年功序列」の魅力は低く、成果主義を重視する現代の労働市場では、個人の成果が正当に評価される制度が望まれています。働き方の柔軟性を重視する転職者にとっては、リモートワークや週休3日制など、革新的な制度も非常に魅力的です。このように、伝統と革新が混在する企業文化が転職市場での選択肢となっています。
 

■まとめ

今回の調査から、現代の転職者が「早期離職」や「日本型企業」をどのように捉えているかが見えてきました。特に、若年層を中心に転職の短期化が進んでおり、それが自分に合った仕事を見つけるための前向きなステップとされています。一方で、安定性を提供する日本型企業への支持も根強く、労働市場における価値観の多様化が進んでいることが分かります。転職を考える際には、自分に合った働き方をしっかりと見極めることが大切です。